若君の御祝や東の方の御葬儀など全てがやっと落ち着いてから、宮様御自ら東の対にお渡りになりました。 重々しく高貴な宮様は、このような屋敷内の移動も気軽にはなさいません。 東の対は、若君を見るにつけても悲しいといった感じで重苦しい空気に包まれていました。 宮様は若君をお抱きになって、 「お可愛らしいこと。 殿にもよく似ていらっしゃるようだけれど、見ずして亡くなってしまわれた方の面影もおありなのでしょうね。」 と涙ぐまれました。