平安物語=短編集=【完】




それから四年後、十四歳におなりあそばした大君の御裳着がございました。

一足早くありました右大臣家の姫君のお式に負けないよう、贅を尽くしてまばゆいばかりに調えられ、見たこともない極楽浄土が思いやられる程御立派に執り行われました。

それもこれも、東宮様に入内する際に箔を付けるためです。

それなのに何と言う事か、翌年更に箔を付けるために大君が伯母中宮様をお訪ねになった時に帝の御眼鏡にかなって、そのまま帝の女御様におなりあそばしたのです。

これには流石の殿も慌てたようでした。

宮様も大君をお案じになっていらっしゃいましたが、それでなくても不安な筈の大君を少しでも安心させるために、おっとりと大らかになさっていました。