宮様は、恨み言一つおっしゃらずにお許しになりました。 殿に疎まれる事を何より恐れられたのです。 しかし、殿がその人を東の対に迎えられたその夜、御帳台の中で嗚咽を堪えきれずにいらしたのを私は存じております。 宮様はきっとお望みにはならないでしょうが、今この場に殿が戻っていらして、この宮様のお嘆きを知って欲しいと心から思いました。