…その頃にはもう、宮様は殿への淡い恋心を抱いておいででした。 殿は当時九歳で、父太政大臣のお子として頻繁に参内していらっしゃいました。 子供とは思えない利発そうな眼差しと美しい御容姿は、内裏でも輝いて見えたのでございます。 そんな宮様のお可愛らしい恋を、何も分からない子供心に、私も面白がって応援していたのでした。