右近の行動に驚いて集まって来たのであろう女房達は、私の姿を確認すると散り散りに逃げ去った。 ただ一人、恐らく乳母だろうと思われる年の程の、上品な女房が安堵したように微笑んで会釈した。 「侍従と申します。 ご案内させて頂きます。」 案内と言うほどの距離でも無いが、紅葉の君の居る帳台の前まで通された。 そのまま、恭しく下がる。 随分と待たされた再会を目の前にして、鼓動が高鳴るのを抑えることは出来なかった。 ***