開始の時間が近づいて、帝がいらっしゃいました。 ――帝…。 帝の香が漂ってくるのにどきどきして、几帳の隙間からそっと覗きました。 狭い視界に帝のお姿が入ってきて、こちらに気づいてくださるだろうと期待して見つめていた時でした。 帝が振り返り、手を伸ばして取ったのは… 他でもない、我が伯母・中宮様の白いお手だったのです。