平安物語=短編集=【完】

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紅葉狩りの日から、もう十日が経ちました。

あの方が訪れることは一度もありません。

待っていて欲しいと仰ったのに背いたから、怒っていらっしゃるのでしょう。

だって、ずっと私を想ってくださっていたと仰っていたのだから、この家の場所はご存知の筈です。

よく分からないながらに夫婦となったあの方とこんな風になって、私は一体どうすれば良いのでしょう。