「ん…」 花びらのような唇から漏れた声だけで、どきんと胸が高鳴る。 「え…誰…?」 「あなたをずっと前からお慕いしていた者です。 念願叶って、今夜こうしてお側に参ることが出来ました。」 口から出任せを言うが、姫君は疑うなんて事も知らず頬を染める。 「まあ、こんな…恥ずかしい…」 おっとりとしていて、特に抵抗をするでもない。 そんな様子が、本当に愛しく思われた。