昼過ぎに、おいとま致します。 院がお見送りに来てくださいました。 「あなたとお話しできて良かった。」 「勿体のうございます。」 『また是非いらしてください』の御言葉が無くなった事に気付きながら、牛車に乗り込みました。 さあ…今日からまた、仏道修行に励まなくてはなりませんね。 寧ろ何か吹っ切れたような、清々しい気持ちで院の御所を後にしました。 ― 梅壺の尼君 ―