平安物語=短編集=【完】




足元の感覚が無くなって、空中に立っている気分でした。

それでも必死で足を動かして姉上のお部屋に行くと、女房達が泣き沈んでいて、母上と父上が涙に暮れていました。

父上の涙を見るのは初めてです。


ふらふらと姉上に近付いてお顔を覗き込むと、

「お…ねえさま…っ」

いつもと同じ寝顔のように見えますが、もう、死相が表れていました。