弘徽殿様はお変わり無くお美しく、お心清らかでいらっしゃいました。
「お久しぶりですね。」
そう仰って穏やかに微笑まれる弘徽殿様は、以前より更に女盛りのお美しさで、皆に愛される桜の花より魅力的でいらっしゃいます。
「この度は、一の宮様の立太子おめでとう存じます。」
「ありがとうございます。
梅壺様の姉女御様は姫宮をお産みになったそうで、おめでとうございます。
雪花の宮と仰いましたか。
お屋敷も賑やかでいらっしゃいましょう。」
「はい、幼い方が四人もいらっしゃいますので、毎日楽しく過ごしております。」
「それはよろしいことですね。
しかし、梅壺様や女一の宮が内裏にいらっしゃらないでは、やはり寂しゅう存じますわ。」
じっと私の目を見つめられますので、私の醜い苦しみが見透かされてしまう気がして、笑ったふりをして目を伏せました。
弘徽殿様は、視線を緩めて話題を変えてくださいました。

