平安物語=短編集=【完】




大きなお腹をした姉上はとても幸せそうな表情をしていらして、私も気持ちが和らぎました。


「今度は姫なの。」

突然姉上が断言なさったのには驚きましたが、何となくそう思うと仰るばかりでした。


そうして初雪が降った翌朝、私にも負けない御安産で、無事に姫宮がお生まれになりました。

まだ目も開かない赤子なのに、驚くほどお可愛らしくていらっしゃいます。

世間では、雪の朝に花のように美しい姫宮がお生まれになったということで、この姫宮の御事を「雪花の宮」とお呼び致します。