平安物語=短編集=【完】




数ヶ月経って、院のお悲しみも幾分和らいだかという頃、姉上の御懐妊が発覚しました。

でも本当は、姉上やお側の女房は、その二カ月前には気づいていたのだそうです。

ひどく悲しんでいらっしゃる院にお伝えするのが気が引けて、姉上が隠していらっしゃったのでした。


院は大層お喜びになって、母子共に無事でお産が済むよう、祈祷の僧をお集めになります。

姉君たる皇太后様の喪に服していた父上も、あまり目立たないようにしながらもしっかりと準備なさいます。


院は、寂しがってなかなか姉上をお放しになりませんでしたが、七ヶ月になるころにやっと退出していらっしゃいました。