弥生になる少し前に、内裏を下がりました。
麗景殿様の事で帝が何かを隠していらっしゃるのではないかと思うと、身の程が思い知られて辛かったのです。
なので、麗景殿様の御安産のために父上が奔走するのを間近に見ていました。
こうまで懇ろにお仕えなさるのは、やはり産まれてくる御子が男子であった場合に、東宮にお立てして後見しようという思いがあるのでしょうか。
そしてやっと、弥生の四日に、男御子がお生まれになりました。
こちらも男子であったかと、東宮をめぐる成り行きに注目が集まります。
父上の後見で、若宮の産養いなどが立派に催され、一の宮に見劣りするような点はありません。
どうなることやらと、どこか冷めた目で見ておりました。

