平安物語=短編集=【完】




秋になって弘徽殿様も麗景殿様も宮中を退出されました。

栄えていらっしゃるお二人がいなくなってしまわれて、何となく宮中が寂しくなり、帝の御所望により姫宮を参内させました。

もう九歳になっています。

御年四歳で、昨年袴着を済まされた女二の宮も参内されました。

これもまた帝の御所望で、姫宮達を帝の清涼殿の隣の後涼殿に集められました。

ちょっと御公務の合間を縫ってはお二人のお顔を見にいらっしゃる御様子には、二人を分け隔てするようなお心は見えません。

女二の宮も、更衣腹で身分の劣る女一の宮を姉宮として慕ってくださっているようです。

女一の宮の乳母から伝わってきた話によると、帝は女二の宮に、姉宮を年長として敬うように仰るようなのです。


私は麗景殿様の立后の頃から更衣腹の女一の宮の将来を案じ、それとなく帝にも漏らしておりましたから、それによるお気遣いかもしれません。

そういうお方なのです。