そして暑い盛りの頃。
十三年間、その気配も無かった弘徽殿様が、御懐妊なさいました。
それに続いて、麗景殿様も。
私は、密かに男御子を授かりたいと願を立てていたのです。
ですから、この御懐妊――特に、何となく弘徽殿様の御懐妊にうろたえました。
深く愛し合っていらっしゃいながらずっと子宝に恵まれず、そろそろ出産が厳しくなるかという頃になってやっとの御懐妊ですもの。
何か、運命めいたものを感じずにはいられませんでした。
何とか男御子を授かって東宮にし、帝に大切に思われたいと、しつこく願っていた私にとってこの事は脅威でした。

