平安物語=短編集=【完】




「そうですの。

東宮様には、帝から?」


「あぁ。

姫をくれるのなら責任を持って伝えると仰せであった。」


「そうまで仰るのなら、もう私達の意見などあって無いようなものですわね。

心の整理に時間は要るでしょうけれど…」

そう言いながら、母上は優しい目で私を見つめました。