そこへ母上がいらして、押し黙ることしか出来ない私を庇うかのように私と父上の間に座りました。 「帝のご所望ならお断りできませんでしょう。 もったいなくもありがたいことですわ。 でも、中宮様はどのように?」 おっとりと言う母上の言葉に冷静さを取り戻した父上は、一つ溜め息をついて 「我が一族から帝のご寵愛の方が出るのならば、喜ばしいことだと仰っていた。」 と言いました。 なんとまぁ、出来過ぎたお答えですこと…