私は、五代も前の帝の血を遠く引く家に生まれました。 しかし宮家の血筋とは名ばかりで、世に忘れられたような極めて質素な生活を送っておりました。 早くに御両親を亡くした母上は、恋を訴えてきた身分の低い父上に惹かれ、反対する親もなく結婚したのでした。 ただ、ささやかな誇りだけが、代々受け継がれて参りました。