しばらくして帝がいらっしゃいました。
女君達はさすがに声を落とされますが、一の宮と二の宮は、今度は父帝のお側に行って遊んでいらっしゃいます。
帝もにこやかに微笑まれながら落ち着くように諭されますが、お膝に乗ったりお肩にしがみつかれたりと、父帝の畏れ多さなど少しもお分かりでありません。
見かねた皇后様がこちらへいらっしゃるように仰いますと一の宮が皇后様のお隣にお座りになりますので、二の宮が嫉妬して小競り合いになり、中宮様が苦笑しながらお引き取りになりました。
すると帝が、
「皆がそちらに集まっていらしては私が寂しいですね。
かと言って私もそちらに行っては、真ん中がズレてしまいますからね。
やはり子供達はこちらへいらっしゃらい。」
と仰せになりました。
仰せに従って御子達は左側に移られますので、私もついて参ります。

