平安物語=短編集=【完】




そして二日が経ち、日が高くなってから弘徽殿を発ちます。

普段はおっとりとしていらして慕わしい中宮様も、こういった外出の時は、しっかりと他人に見られたりしないように配慮なさいます。

帝の御指示なのでしょうか、通り道には殿上人もほとんどいないのでした。



麗景殿へ着くと速やかに奥に通され、中宮様と宮様のお席は、皇后様と一緒に上座に整えられていました。

私は宮様について奥まで入ることが出来たので、皇后様も何の隔てもなく拝することができます。


穏やかに微笑んで座していらっしゃる皇后様は、二人の御子を持つ母君とはとても見えず、姫君のように若々しくていらっしゃいます。

お身体が華奢にお小さくていらっしゃるため、お召し物の裾がとても長く、更にそのお召し物の裾にも余るくらいの豊かな黒髪が、とてもお見事でいらっしゃいます。