弘徽殿に帰ると、帝がいらしていました。
「お帰り、宮。」
ぎゅっと抱き締めてお膝に抱かれます。
「女一の宮はお元気でしたか?」
と中宮様がお尋ねになりますと、
「はい。
姉宮も更衣さまも、お母さまに会いたいと仰っていました。」
「そう。
私も是非お会いしたいのだけど、気軽にも動けない身分になりましたから…
更衣殿はいらしてくださってお会いすることもありますが、とても高貴な内親王である女一の宮とは、なかなか行き来することも出来なくて。」
中宮様と女一の宮とは、女一の宮がお生まれになった頃から親しくお付き合いなさっていたと伺っております。
しかし女一の宮ももう幼子ではいらっしゃらなくてそうなかなかお会いできず、中宮様はとても恋しく思っていらっしゃいます。

