その夜は、中宮様が宮様を連れて御寝所へ参られました。 宮様は父帝の熱い抱擁で迎えられ、そのまま中にお入りになります。 お休みになるまで、和琴の御指導をなさっているようです。 若宮の、いかにも拙く子供っぽい演奏に大層感激あそばして、将来が楽しみだと繰り返されます。 若宮も、いつもうるさいお父上の、普段に似ず優美で繊細なお父上のお琴の音に、尊敬の念を抱かれたようでした。