「あなたは…?」 そう問いかけられましたが、袖で顔を覆ってただただ押し黙っていました。 「ただの女房には感じられませんね。 もしかして、中宮のところの…」 そう言われて、この方が帝なのだと気付きました。 畏れ多く、恥ずかしく、困りきってしまって、私はつきに泣き出しました。