その美しさともの悲しさに魅入っていると、視線に気づいたのか、その方がふいにこちらを向かれました。 驚いた顔をなさって、そしてそのままこちらにいらっしゃいます。 部屋の奥深く育てられて、父以外の殿方とは話した事もない私は、もう狼狽しきって手足が震え、その場に棒立ちになりました。