平安物語=短編集=【完】




「藤壺…」

私の目からは、涙が溢れていた。


――登華殿……


黙って立ち上がり、登華殿のもとへ向かった。



「院…!」

早起きしていたらしい登華殿が、ハッとして身なりを正した。

そのお腹は、確かに少し目立っていた。