平安物語=短編集=【完】




そんなことを考えながら月を眺めていると、誰かの視線を感じた。


そちらを向くと、一人の

――更衣に瓜二つの――

女がいた…



更衣の幻かと目を見張ったが、更衣より幾分背が高く、何より雰囲気が違った。

「あなたは…?」

そう問うが、袖で顔を覆って黙っていた。


「ただの女房には感じられませんね。」

そう、もっと高雅な…

まさか…

「もしかして、中宮のところの…」