そんなことを考えながら月を眺めていると、誰かの視線を感じた。 そちらを向くと、一人の ――更衣に瓜二つの―― 女がいた… 更衣の幻かと目を見張ったが、更衣より幾分背が高く、何より雰囲気が違った。 「あなたは…?」 そう問うが、袖で顔を覆って黙っていた。 「ただの女房には感じられませんね。」 そう、もっと高雅な… まさか… 「もしかして、中宮のところの…」