和仁が、十三歳で元服を迎えた。 母親譲りの柔和な顔立ちが一気に男らしくなったことに感慨を覚え、涙をこらえられなかった。 本人が望めば、元服に伴い左右大臣の姫との結婚を用意するくらいのことは容易に出来たが、 「まだ、何も分かりませんで…」 とはにかんでいたので、やめておいた。 左右大臣の方では、 「もし御縁があれば、喜んでお世話をさせて頂くのですが…」 とやきもきしていたのだが。