寂しいし心配で、お腹が目立ち始めても里に帰そうとはしなかった。 とにかく、私一人はひどく幸せだったのだ。 しかしある日、更衣の母が参内して泣く泣く私に訴えた。 「妊婦の身で、畏れながら女御様方のお恨みを受けていては、娘とお腹の御子に障ります。 どうかどうか、里下がりをお許しくださいませ。」 更衣は、母には手紙で現状を訴えていたのだ。 驚いた私は、気付けなかった自分が情けなく恥ずかしくて、更衣に逢わないまま里下がりを許し、更衣は内裏を去った。