「あなたのお許しがもらえるまでは、これ以上の無体な真似には及びません。

でも、早くしないと、ぐずぐずしているうちにまた他の男に先を越されるのではと心配で…

内裏でも、独り身になったあなたの噂で持ちきりなのです。」


私の存在を確かめるかのように抱きしめる少納言様の背に、私も、信じられない気持ちでそっと手を回しました。


「あなたが他の人のものになっても、ずっと、諦められなかったのです。」

その御言葉に、静かに涙が落ちました。

「私も…同じ気持ちです。」