私は大納言様の姫君にお仕えしていて、大輔の君と呼ばれています。 父が大輔だったのです。 母は早くに離婚したため、父の顔すら覚えていないのですが… その母が姫君の乳母となったため、乳姉妹である私も姫君のすぐ側で育ちました。 何をするにも、一緒だったのです。 姫様は、東宮様に入内すべく育てられていらっしゃいました。 しかし姫様の成人を目前にして、父君が病で亡くなられたのです。 後ろ盾を失われた姫様の入内は取り止めとなり、母などは悔しさに泣き喚いていました。