「殿、そろそろ…」

今度は車の御者に声をかけられて、渋々頷いた。


「では、姫…」

そう言って車から離れると、御簾が下ろされて姫は見えなくなった。


そして華美な行列が動き始め、姫は内裏へと向かって行った。