平安物語=短編集=【完】




「そう……確かに、辛い事です。

正妻なんかでなければ良かったと思う事もありました。

しかし、お父上は、お母上ほどには私を愛してくださいませんでしたが、誰よりも私を大切に扱ってくださいました。

私は、お父上を憎みも愛しもしていましたが、それでもちゃんと私の所へ帰って来てくださるのは、本当に誇らしく、幸せなことでした。

お父上に、最後まで愛されたのは私とお母上だけなのです。

他の御方々は、途中で御縁が途絶えたようでした。

そんなものなのです。

私は、お父上を愛しておりましたから、正妻という地位でお父上を縛り付けられたのは良かったと思っています。」