平安物語=短編集=【完】




そうこうしているうちに、女房達が動き始めました。

「急なおいでで、何の支度も…」などとぼやいています。

少将が来たのかとゾッとして、

「また気分が悪くなってきました。

少将殿が私を訪ねていらしたら、そう伝えてちょうだい。

あなたはここに居てね?」

と言って御帳台に逃げ込みました。