その時、部屋中に中将様の香が漂いました。 数人の足音が近づいて来て、女房達も次々に部屋に帰って来ます。 義母上も、数人の女房を連れておいでになります。 「…はい、私のような者とは血の繋がりの無い、高貴な姫君でいらっしゃるので、私もどのようにお世話させて頂こうかと思案に暮れていたのです。 あの姫君なら、中将様にもお似合いだと存じます。」 少将の声がして、私は急いで部屋の奥の几帳の陰に逃げ込みました。 義母上も私の側の几帳の陰にお座りになり、にっこりと微笑まれました。