平安物語=短編集=【完】




ほんのうっすらと空が白んできた時、私は部屋の御帳台の外で座っていました。

ついまどろんでいると、そっと頬に手が当てられました。


「見送ってはくださらないのですか?」

そっと言う声に目を上げると、私の頬に手を当てたまま優しく微笑んでいます。


「…なんのことやら。」

見つめたまま答えると、フッと笑って立ち上がりました。