平安物語=短編集=【完】




「変わった方なのですね…。

でも、何もしませんから今夜は泊めて頂けませんか?

ここまで来ておずおずと帰っては、手引きをしてくれた女房に笑われてしまいます。

明日の未明、こっそりと退散致しますから。」

にっこりと微笑んで、そう仰いました。

こんな淫らな真似をする方とは思えないような無邪気なお願いに、私は呆気にとられてしまいました。


「駄目と言っても嫌ですよ。

ではお休みなさい。

起こしてくださいね?」


そのまま、本当に眠ってしまわれました。