平安物語=短編集=【完】




「春雨の君…。」

囁いたまま私の身体に手が回され、胸元に侵入しようとします。


「いやっ…!」

パッと全力で手を払うと、私は急いで起き上がって対峙しました。

中将様は驚いたような顔をしています。

御年十四と聞いていた通り、まだ微かにあどけなさが残るお顔立ちです。

こんな幼さで、このような真似を……。

男というものにつくづく嫌気がさしました。