平安物語=短編集=【完】




しかし譲位して院となられるやいなや、今までの重荷を下ろせたのか、ご病気はみるみる快方に向かったのでした。

全快なさった時には余りに嬉しくて、初めて院の前で涙を流しました。

院は、

「私のために泣いてくれていらっしゃるのですか?

心配をおかけしました。

これからは心のどやかに過ごしましょう。」

と言ってくださいました。