穏やかな雰囲気の部屋で私と紅葉さん、桔梗さんが三人でいて、ゆっくりと時間が流れている。
多分三成が紅葉さんの行動を予測して桔梗さんを部屋に寄越してくれたんだろう。
優しい三成。
私はあたたかすぎる人達の愛情に包まれて、とても幸せだ。
まだまだ実感はないけど三成の赤ちゃんを身ごもり、これからももっともっと幸せが続くって信じることも出来る。
「少し眠れ。」
考え事をしているとうとうととしてしまっていた。
紅葉さんの声に促され誘われるように睡魔が襲ってくる。
「ゆっくり休んで下さいね。
おやすみなさい、姫様。」
桔梗さんの柔らかい声を最後に私は眠りに落ちた。
だから、私が眠っている間も二人が側にいて私を守ってくれているなんて知らなかった。
「眠ったな。」
「あぁ。」
「殿の懐の深さに感謝しろよ。」
「わかっている。」
「それから、鈍感で困った姫様だけど、姫様の優しさにも感謝しなければな。
可愛い姫様だ。」
愛おしそうに紫衣を見つめる桔梗。
「触れてはいけないお方なのに、無邪気な紫衣を見ていると触れずにいれない。」
苦しそうに吐き出す紅葉に桔梗は眉を寄せて言葉を返す。
「姫様を守り支えると決めたからには、その苦しみからは逃れることはない。
離れるか?姫様から…。」
「どっちにしても苦しいだろ?
だけど、俺は側にいることを選択する。
こいつの笑顔を守りたいんだ。
殿と幸せに過ごす時に見せるこいつの笑顔が好きだからな。」
柔く微笑む紅葉の表情は晴れ晴れとしたものだった。


