一方的ではない会話が出来てすっかり心が落ち着いた私。
「部屋に戻れ。」
三成の言葉も普段と同じ穏やかで、だけど冷静なものだった。
「はい。」
私が返事をすると、それを待っていたかのように紅葉さんが部屋に入ってきて私の前まで歩み寄り、手を差し出した。
「紫衣、立てる?」
「うん。」
紅葉さんは遠慮がちに私に尋ねてくれる。
立ち上がり、紅葉さんの手を取って歩き出す私。
「三成様、三成様が部屋に戻られるまで一人は退屈です。
だから、紅葉さんとお話していてもいいですか?」
襖の前で振り返って三成に訪ねた。
「紅葉、紫衣を頼んだぞ。」
三成は私の意図がわかったのか驚きで目を見開いている紅葉さんに話しかけた。
「御意。」
畏まって言葉を返す紅葉さん。
だけど紅葉さんの表情はとても嬉しそうで、それにとてもホッとしているのがわかった。
もう大丈夫。
三成と紅葉さんの間に溝なんてないよね?
安心した私は三成に感謝の気持ちを込めて微笑んで見せてから紅葉さんと一緒に部屋を出た。


