「解りました。ただし一つだけ条件を付けさせてください。
私の娘になるからには、もうこことは何のかかわりも持たないということを...。
約束してくれますか?
あなた方の紫衣は私が貰い受けたこのときから死んでしまったのです。」
厳しい左近さんの口調。
長吉さんは肩を落として泣き崩れた。
私は長吉さんにしてもらったように長吉さんの震える背中を小さな手で一生懸命擦ってあげた。
「紫衣、一緒に暮らした二年間は俺の宝物だ。
その二年間のことは俺は一生忘れない。お前は俺の事なんか忘れて左近さんに可愛がってもらえ。」
私を抱きしながら長吉さんは涙を流し話をしてくれた。
私はコクコクと頷くしか出来なかった。
そして、私は長吉さんの家を出て左近さんと一緒に左近さんの屋敷に向った。
馬に乗って揺られているうちに堰を切ったように涙が流れた。
小さな小さな紫衣ちゃん。
あなたもとても辛かったのかな?
今あなたは私になって同じ過ちを繰り返さないように頑張っているのかな?
私もあなたのように頑張りたい。
人を不幸にするのではなく幸せにする私になりたい!!


