妊娠。
私のお腹には三成の赤ちゃんがいる。
まだ信じられないような気持ちのままお腹にそっと掌をのせてみる。
当然だけどお腹はまだぺったんこで、実感なんてない。
だけど三成と愛し合った証が私のお腹にいるのだと思うと、なんだか誇らしい気持ちになった。
「紫衣!」
襖が勢いよく開いて、部屋に飛び込んできたのは三成で声も普段よりは大きく、興奮している様子がわかった。
「三成様、私のお腹に赤ちゃんが!
あなたの赤ちゃんがいるって!」
私も嬉しくて声を弾ませて三成に言葉を掛ける。
三成は私の側まで来るとドカリと腰を下ろし、私のお腹の上にそっと手を乗せた。
「ここに俺の子が?」
「はい。」
「俺は父親になるのだな。」
「はい。」
嬉しそうに頬を紅潮させて話す三成。
「私は母親になるのですよ。」
「そうだな。」
「とても幸せです。」
見つめ合い、お互いの気持ちを口にする。
「ありがとう、紫衣。」
お腹を撫でながら三成は私に微笑みかけた。
実感なんて沸かなかったのに、三成の言葉を聞いて涙が溢れた。
三成の指が私の目尻に触れて涙を掬い取ってくれる。
「また泣くのだな。」
「はい。とても幸せですから…。」
彼の顔が近付いてきて落とされた唇。
ありがとうと何度も呟きながら私の顔にたくさんキスを振らせた。


