「嘘が本当か、確かめるために月のものがきているのかどうかを聞いてるんだろ?」
驚き、唖然とする私に凌庵さんは鬱陶しいと言わんばかりに言葉を落とす。
そう言われて改めて考えると、もう2ヶ月は止まっている。
だけど、それは環境の変化や体の変化の影響かもしれないってあまり深く考えてなかった。
「二ヶ月になります。」
ポツリと呟く私に斗庵さんはにっこりと微笑んで言ったんだ。
「改めまして、姫様、ご懐妊おめでとうございます。」
深々と頭を下げて言葉を紡ぐ斗庵さん。
凌庵さんも斗庵さんと一緒にぺこりと頭を下げた。
「それでは、お見立ての結果を殿にご報告して参ります。」
斗庵さんは荷物を片付けて、部屋を出て行った。
大きな荷物を手に斗庵さんの後を追う凌庵さん。
「あの…さっきはごめんなさい。」
背中に向かって声を掛ける私に凌庵さんは、
「病ではない。
その症状もじきに落ち着くだろう。」
顔だけを私に向けて話してくれた。
「はい。ありがとうございました。」
「病ではないとはいえ、不安になるだろう。
朱理様には私から指示を出しておく。
無理をせず大事にしろ。」
「はい。」
ぶっきらぼうだけど、荒い言葉だけど、とても優しさの籠もった言葉だった。
凌庵さんはそのまま部屋を出て行った。
布団の中からその姿を見送る私に彼は襖を閉めるため振り返った時に軽く会釈するように頭を下げてから襖を閉めた。
懐妊。
「紫衣を一日も早く懐妊させて下さい。」
左近さんにいわれた言葉が頭の中でぐるぐると回る。
「俺は秀吉様に紫衣を差し出すつもりはない。
その為の懐妊だ。」
三成に言われた言葉も同じ様に思い出された。


