「失礼します。」
襖の向こう側から朱理さんの声がする。
斗庵様がいらっしゃいましたって聞こえて襖は静かに開けられ、朱理さんと一緒にお医者様が部屋に入ってきた。
お医者様ともう一人荷物を持つための男の人の姿も見える。
私は慌てて布団から起き上がろうとして、だけど体が鉛のように重くて起きあがることが出来なかった。
そんな私に
「無理をするな。」
三成は私の体を支え、布団にそっと寝かせてくれた。
思った以上に動かない体、それに気分の悪さも取れるどころか酷くなっている気がする。
屋敷に着いてからはずっと安静にしていただけにすごく怖かった。
もしかしてひどい病気にかかってしまったのかもしれないという思いが頭を過ぎったんだ。
「そのままで結構ですよ。」
斗庵と呼ばれる男の人が微笑みを浮かべながら私の側に腰をおろした。
「では、姫様以外の方は外でお待ち下さい。」
荷物をもう一人の男の人から受け取って部屋から出るようにと言ったんだ。
「何故だ!」
斗庵の言葉に間髪入れずに言葉を落としたのは三成で、眉間に寄せられた皺が彼の不機嫌さを物語っている。
だけど斗庵はニコリと微笑むと、
「姫様は無理をするお方ではありませんか?
三成様や朱里様がおいでになることで、正直な言葉を頂けないと考えました。
それでは正確な見立ては出来ません。」
キッパリと言い切った。


