小高い丘の上に茣蓙が引かれ、お重につめられたお弁当が茣蓙の中心に置かれていた。
「おにぎりだけじゃないの?」
驚き声をあげる私に、
「お昼の支度が出来ていたのですよ。」
だからついでに積めてきましたって柔らかい口調で朱理さんが教えてくれた。
お昼の膳の支度をしてくれていたのに申し訳ないって思った私は、
「ごめんなさい。」
みんなに頭を下げて謝った。
「いいんですよ。大阪に戻ると忙しくてゆったりと風の動きや日の光を感じることもままならないですからね。
いい骨休めになりそうです。」
殿もそう思いますよねって左近さんが重くなりそうな空気を一掃してくれた。
「ありがとう、みんな。」
私は嬉しくてみんなにお礼を言って、
「じゃあ食べよう!」
手を合わせいただきますと挨拶を済ませておにぎりを手に、かぶりついた。
「姫様!」
「阿呆紫衣。」
その姿に声をあげたのは桔梗さんと紅葉さんで、
「ごめんなさい。」
またはしゃぎすぎたのだと反省した私は謝るしかなく、シュンと肩を落として俯いた。
「よい。紫衣も環境が変われば食欲も出るだろう、作法など今は忘れて皆楽しめばよいのだ。」
掛けられた三成の優しい言葉に嬉しさが込み上げる。
「しょうのない姫様だ。」
微笑みを浮かべながら話す桔梗さん。
彼もとても楽しそうに笑っていた。
お日様の光をたくさん浴びながらみんなで楽しく食事が出来た。
三成も笑顔いっぱいで、左近さんが言ったように骨休めや気晴らしになってくれてるといいなって思いながら私もたくさんはしゃいだ。
大阪はもう目の前。
私を取り巻く環境も変わるかもしれない。
だけどみんなが一緒だから大丈夫だよね。
風を感じながら新しい生活に思いを馳せた。


