「着いたぞ。」
馬を止めたのは小高い丘になっている大きな木のそばで、近くには川が流れているのかサワサワと水の音が聞こえていた。
丘の上からは大きな城が見えた。
「あれが大阪城だ。」
私の隣で指を指しながら三成が言葉を掛けてきた。
「大阪城…。
とても大きくて豪華なお城ですね。」
大きくてキラキラと光り輝いている城。
「国の中心を担う場所だ。」
「あなたもあの城でお仕事をされているのでしょう?」
「そうだ。」
「あまり無理しないで下さいね。」
「………。」
突然言葉を失う三成に、もしかしたら又変な事を言っちゃったのかなって不安になった。
「無理などしていない、国のために仕えるのは使命のようなもの。
休むことなど許されないのだよ。」
真面目な三成の言葉に私はくすくすと笑いながら言ったんだ。
「わかっています。
だけど、そんなあなただから敢えて言ったんです。
手を抜くことの出来ない人だってわかっているから言えるんです。」
「そうか…。」
私の言葉に三成は頬をほんの少し赤く染めてポツリと一言相槌を打った。
そして、私の肩を抱き寄せて額にそっと唇を寄せる。
「そなたは俺を癒してくれる。
そなたの言葉は俺に力をくれる。
紫衣が側にいれば俺は何でも出来そうな気がする。」
三成の言葉が嬉しくて、彼の腰に腕を回してギュッと抱きつくと、聞こえてきたのはコホンという咳払いの音。
「準備が整いました。」
頬を赤く染めた桔梗さんが私達の後ろで地面に膝をついて頭を下げた。
「桔梗さん、素敵な場所を用意してくれてありがとう。」
私は三成から離れ、桔梗さんに駆け寄り、彼の手を取ってお礼を言った。
「姫様!私のような者の手を取ってはいけません!」
だけど桔梗さんはその手を振り払うようにして私から離れ、なんだか少し怒ってる?


