熱い飴を手に、私達は悪戦苦闘した。
一生懸命、夢中で形を作り出来上がったのは椿さんの作った鳥とは程遠い出来映えで、
「紫衣の下手くそ。」
「紅葉さんだって意外に不器用なんだね。」
「桔梗は一体何が作りたかったんだい?」
「朱里様のも鳥にはみえませぬ。」
「左近、うまそうな鴨だな。」
「殿に言われたくはありませんね。」
それぞれが感想を言い合い、顔を見合わせて笑った。
「みなさん初めてにしてはとてもお上手ですよ。」
優しい椿さんの言葉にも出来映えを自覚している私達には椿さんの苦しさがわかるから笑いが止まらなかった。
「楽しかったね。」
「紫衣は遊びの天才だな。」
誉め言葉って思っていいのかな?
ニコニコしてるものね、三成。
「紫衣がいると賑やかでみんなが笑顔になれる。不思議な娘だな。」
三成は満足そうに微笑んで言葉を紡ぐ。
「特にいつも仏頂面の殿が笑顔になられるし?」
「うるさいぞ、左近。」
本当に楽しい時間を過ごした。
みんなが笑顔で、この一瞬は楽しく過ごした城での生活に戻っていたんだ。


