桔梗さんが二人!
ポカンと口を開ける私に、
「「間抜け面」」
紅葉さんのお得意のセリフを桔梗さんと見事にハモらせた二人。
そっか、桔梗さんと椿さんは双子って言ってたっけ?
「初めまして、紫衣です。」
背筋を伸ばして挨拶を返すと、
「姫様、椿も姫様とは以前にお会いしておりますよ。」
桔梗さんの鋭い突っ込みに私は口を閉ざした。
「椿と桔梗はゆき様の所に出入りしていたからね。でも、その時は椿も桔梗と名乗っていたのだから初めましてでいいんじゃないのかい?」
助け船を出してくれたのは朱里さんで、
「桔梗はいちいち細かいんだよ!」
紅葉さんはうんざりしたように桔梗さんに吐き捨てた。
椿さんはそんな様子に動じることなく部屋に入り、お菓子の準備にかかる。
だけど、運ばれてきたのは大きな木箱で、お菓子が入っているようには見えなかった。
七厘が廊下に用意され、お鍋が七厘の上に置かれている。
一体何が始まるのかなって夢中になって見ていると、
椿さんの手で作られたのは綺麗な飴細工だった。
「飴細工だ!」
私は椿さんに駆け寄り手に握られている棒についた飴細工を食い入るように見つめた。
「ご存知でしたか?」
ちょっぴりガッカリした椿さん。
お祭りの縁日で普通に購入していたなんて言いづらくて、
「聞いたことはあります。」
咄嗟に嘘を着いたのに、
「嘘臭い…。」
紅葉さんに容赦ない言葉を落とされた。
「どうぞ。」
だけど、椿さんはニッコリ笑って私に飴細工を差し出してくれた。
白い白鳥のような鳥を形作った飴細工。
「食べるのが勿体ないよ。」
興奮する私を見てみんなが笑顔を浮かべた。
手にした飴細工を色んな角度から見つめていると、
「可愛らしい姫様だ。」
椿さんの言葉が部屋に響いた。


