「紅葉さん?」
なんだかちょっぴり不機嫌な紅葉さん。
「殿の御前だぞ紅葉、慎め!」
紅葉さんの後ろには桔梗さん。
「話は纏まったようですね。」
微笑む朱里さんの姿も見える。
そして最後に部屋に入ってきた左近さん。
三成と私の前にドッカリと腰を下ろし、
「良い夫婦になられました。
紫衣、お前は俺の自慢の娘だ。
殿、我が娘を末永く幸せにしてやって下さい。」
優しすぎる言葉を口にして深く頭を下げた。
そうだね、紅葉さん。
私はこんなにたくさんの愛情を貰ってるんだよね。
三成だけじゃない。
「みんな、ありがとう。」
涙を流す私に三成はポツリと呟いた。
「そなたは人気者だな。」
その口調がちょっぴり拗ねているようで、私達は顔を見合わせて笑った。
「では、約束のお菓子ですよ。」
廊下に向けて朱里さんが声を掛けると、一人の男の人が部屋の前で頭を下げて座った。
「お初にお目にかかります。」
椿にございますって声と共に上げられた顔。
私はびっくりして言葉が出なかった。


